2021年4月、国土交通省ではセーフティネット登録住宅の基準に、新たに「ひとり親世帯向けシェアハウス」の基準を設けることになりました。
背景として、公的な住まいの支援策も乏しく収入が不安定とされるため賃貸の入居を断られるケースが少なくありません。
そんな中、ひとり親世帯の貧困や孤独を防ぐために、企業や自治体などが空き物件などを活用してひとり親世帯向けシェアハウス事業に乗り出してきました。
保育や家事代行などのサービスを付帯する住まいとして、またひとり親の「孤立」を防ぎ、「自立」を促す住まいとしてシェアハウスが近年注目されています。
【目次】
セーフティネット登録住宅とは
住宅確保要配慮者向け賃貸住宅の登録制度
賃貸住宅の賃貸人の方は、住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅として、都道府県・政令市・中核市にその賃貸住宅を登録することができます。都道府県等では、その登録された住宅の情報を、住宅確保要配慮者の方々等に広く提供します。その情報を見て、住宅確保要配慮者の方々が、賃貸人の方に入居を申し込むことができるという仕組みです。
図:住宅確保要配慮者向け賃貸住宅の登録制度
住宅確保要配慮者とは
住宅確保要配慮者は、改正法において低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子育て世帯と定められています。低額所得者は、公営住宅法に定める算定方法による月収(政令月収)が15万8千円以下の世帯となります。子育て世帯は、18歳未満の子供がいる世帯ですが、18歳となった子どもが年度末に至るまでの間も子育て世帯として扱われます。これらに加えて、省令において、外国人などが定められています。さらに、地方公共団体が供給促進計画を定めることにより、住宅確保要配慮者を追加することができます(例えば、新婚世帯など)。
住宅の登録基準
賃貸住宅を登録する際には、その規模、構造等について一定の基準に適合する必要があります。まず、耐震性を有することが求められます。また、住戸の床面積が25㎡以上であることが求められます。ただし、共同居住型住宅(シェアハウス)の場合には、専用居室を9㎡以上確保することで足りますが、住宅全体の面積が15㎡×居住人数+10㎡以上であることや、台所、食事室、便所、浴室、洗面所等を適切に設けることが求められます。なお、この登録基準については、地方公共団体が供給促進計画を定めることによって、強化・緩和をすることが可能です。
入居を受け入れる住宅確保要配慮者の範囲
登録の際には、入居を拒まない住宅確保要配慮者の範囲を限定することが可能です。例えば、「障害者の入居は拒まない」として登録したり、「高齢者、低額所得者、被災者の入居は拒まない」として登録したりすることができます。 なお、長屋や集合住宅については、住戸単位での登録が可能です。
埼玉県住宅確保要配慮者向け賃貸住宅について
セーフティネット登録住宅に登録するメリット
登録した空き家・空き室は、国が管理する専用ホームページに掲載され、広く周知することができる
入居者受け入れにあたり必要な改修を行う場合は改修工事費の補助を受けることができます
居住支援法人等によって入居前・入居後における不安を相談することができ、解決のサポートを受けられる場合があります。
【ひとり親世帯シェアハウス】基準
ひとり親世帯向けシェアハウスの基準は以下の通りです。
住宅全体の面積が15平方メートル×(ひとり親世帯向け居室以外の入居可能者数)+22平方メートル×(ひとり親世帯向け居室の入居可能世帯数)+10平方メートル以上。
専用居室の面積を12平方メートル以上(造り付けの収納面積を含む)
専用居室の入居者は、ひとり親世帯(親+子)1世帯。
共用部分に居間・食堂・台所、便所、洗面、洗濯室(場)、浴室またはシャワー室を設ける(専用部分に備えられている場合を除く)とし、バスタブを有する浴室を少なくとも1室設置することなどを定めています。
【ひとり親世帯シェアハウス】事例
まとめ
2021年、少子化が急速に進む中で賃貸物件の大きな借り手の1つとなっていた学生達にはリモート授業が普及し、大学の近くに部屋を借りるという選択をする人も減少傾向となってきています。
需要過多による空室に困るオーナー様がいる中で、一方では様々な理由で住む場所に困っている方がいらっしゃることも事実です。賃貸業界においてはまさに変革の時期と言えるでしょう。従来通りの空室対策に加えて様々なサービスを利用し公的機関などと連携をしていくことも手段ではないでしょうか。
我々賃貸経営支援室では特にシングルマザーさんの応援に力を注いでいきたいと、シングルマザー協会様や家賃保証会社様と連携して様々な支援サービスを今後展開していきたいと考えております。
既存のマンションをシングルマザー専用のシェアハウスとし1階には学童を併設した物件へリノベーションされた大家さんもいらっしゃいます。
賃貸経営支援室は日々の業務から培われた賃貸経営に関するノウハウを蓄積しています。
その賃貸経営支援室が運営する【賃貸経営の窓口】では賃貸経営管理士はもちろん弁護士、税理士、建築会社等、様々な専門家とも連携して無料相談が出来ます。
完全予約制で、コロナ感染対策を講じて運営しております。
オーナー様の立場に立って共に考え、悩み、問題解決に導くお手伝いをさせて頂きます。
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