“安心して居住できる部屋の提供”を実現する鍵交換スキーム

更新日:8月9日


―鍵交換をしないまま入居し、万が一の事故で自身の物件が事故物件となり

   資産価値を下げてしまう。鍵交換が「賃貸経営における最大のリスク回避」となる―



ただ“鍵交換”と一言で言っても、多くの家主や管理会社が行っている現在の鍵交換スキームでは、「安全に居住できる部屋の提供」の実現は出来ておらず、鍵交換の価値を下げている。


今回はそのスキームについて説明していきたい。



【目次】





現在の鍵の取り扱いについて


退去者から返却された鍵でリフォームやご案内を行い、新しい入居者の鍵渡しを迎える。

そのほとんどがおそらく募集の段階から「鍵交換費用必須、契約時〇〇円」と謳い、

入居前に鍵交換を事前に行い、鍵渡しの日に入居者へ「新しく交換した鍵です」と説明しているのではないだろうか?多くのお客様は入居条件に鍵交換必須とあれば支払う



しかし、家主や管理会社の人間はこのようなにお客様から相談された経験はないだろうか?


「鍵交換は任意ですか?カットできますか?」

「初期費用を抑えたいから鍵交換はしたくない」

「自費で業者手配して交換したい」

「入居中、誰がこの鍵を持っていますか?」

「そもそも家主負担で交換してくれないのか?」

「こちらが払うなら鍵は退去時に持っていきたい。」


お部屋探しをするお客様から1度は言われたことがあるはずだ。




また家主側もこのような鍵への考え方をしている方がいるだろう。


「うちは任意。入居者が替えたいなら交換して1本は家主がもらう」

「防犯面が心配だから入居者へ必須で交換してもらう」

「管理会社へ任せていてどんな鍵何本あるのか、把握していない」

「入居者が紛失した際に面倒だから管理会社で保管してもらっている」

「退去時すべて返却してもらっている。そのように契約上取り決めている」



賃貸業界ではよく聞くこのような言葉の中から、

どこか形式的でパフォーマンスのようになってしまっている鍵交換の実態と、

昨今の不動産賃貸業界の悪しき慣習になってしまった鍵への考え方が浮き彫りになる。



「鍵交換費用貸主負担」をすることにより、

  1. 入居者が費用負担をした鍵を退去時に無償で貸主へ返却している矛盾点の解消

  2. 家主の果たすべき「安心して居住できる部屋の提供」の裏付け

  3. 入居者全体にも防犯意識の高い物件として意識付けができて犯罪への抑止力となる



鍵の取り扱い新常識

  • 空室期間中の鍵は案内専用の鍵とする~コンストラクションキーの考え~

  • 入居中の鍵は交換した瞬間から退去日まで、入居者以外は鍵に触れられない、持ち出せない、保管できない状態とする。


入居中の部屋に退去者や不動産会社等がスペアキーで侵入し盗難や傷害、強姦といった事件が起きてしまっている。


退去前に窃盗目的で鍵を複製するケース、退去時に返し忘れた鍵で忘れ物を取りに入ってしまったら次の人が住んでいた、これは実際にあった事件だが管理会社が預かっていた鍵で女性部屋へ侵入してしまったこともあった。





スペアキーを作れるタイミングは誰に何回あるのか?


入居者、退去者、家主、管理会社、仲介業者、リフォーム業者…

ご案内したが部屋が決まらなかった場合や、またパイプスペースに直置きをしている部屋なら鍵を触れることができる人も把握は不可能、コピーを作るタイミングも無限である。


さらには実物が無くてもメーカーと鍵番号がわかれば購入できるという…本当に恐ろしい限りである。





「鍵交換なし、コピーをだれが作ったかわからない」

「鍵交換はしたが、不動産会社の担当や鍵交換業者が鍵渡し前にコピーを作って保管していた」


など事件が起こった後に様々な問題が浮き彫りとなる。


防犯対策における最重要である鍵があまりにも多くの人が触れる事ができ、

あまりも軽視されすぎている。



まとめ


“確実に入居者だけが鍵を持つこと”が家主にとっても賃貸経営最大のリスクが回避できることとなる。




【退去者から返却された鍵はリフォームや案内専用の鍵とすべし】


新築工事現場で施工中に使用されているコンストラクションキーは、

少し枝が短くすべての部屋が開き施工や内見ができる。

入居者が正式な鍵を差し込み回した瞬間からコンストラクションキーでは開かなくなる。

空室期間専用の鍵の扱いはこれと同じ発想でというわけだ。



【実際に入居する新しい入居者立ち合いのもと鍵交換しその場で全ての鍵を渡す】


不動産会社の店先で「新しい鍵です」と渡すのではなく、

入居者の目の前で新しい鍵へ交換し、その場ですべての鍵を入居者へ渡す。


入居中の鍵管理責任が発生し、万が一の紛失では借主負担で鍵交換をする。


ここまでしてやっと入居者は最大の安心を手にすることができ、家主にとっても賃料の対価となる「安心の部屋の提供」という責任を全う出来たことといえる。


※注意点

・鍵交換について募集時の広告から契約書まで明記する。(鍵交換費用の負担者や料金)

・借主の都合(自身が鍵業者である等)で借主負担での鍵交換をするのであれば特約を追記


 例】

「当該契約の鍵については借主負担で交換する。鍵交換をした時点で借主は鍵の所有権を放棄し貸主へ帰属したこととなり、退去時には貸主へ全ての鍵を返却するものとする」



現在の鍵の取り扱いについての道理が通っていなかった点がこれで解決する。

これからの鍵、鍵交換に対する概念を見直すことが必要である。